藍白の鬼


ザックザックっザック―—


聞こえるのはあたしの足音だけ。


それなのに、誰かに後ろをつけられているような感覚に襲われる。


落ち着け、あたし。


この音は自分の足音だ。


後ろには誰もいない……筈。


よし、んじゃぁ、振り返るか?


びびってんなよ、あたし。


いっせーのでッ。


あたしが勢いよくバッと振り返ると、そこには―—


「ぎゃぁぁあああぁぁあああぁぁぁああああああ!!!」


マジで誰かがいた。


うっ!!?


嘘でしょっ!!?


なんで人いんの!!?


何で人いんの!!?


「ひぉいいいいいぃぃいいぃい!!!」


あたしは悲鳴を上げながら猛ダッシュで逃げるけど、案の定、まるでどっかのなんかの漫画みたいに、あっさり捕まって口をふさがれてしまった。


マジでなんなの、今日。


変な夢見るし、やる気起きないし、血糖値低いし。


あ、血糖値は高かったら糖尿になるんだっけ。

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