藍白の鬼


もしかしたら、こいつはずっと独りぼっちだったのかもしれない。


正妻はたぶんあたしより前に何人もいて、何人も先に死んでしまった。


だから寂しさを紛らすためにあんなことして……って、こんなことあたしの憶測でしかないんだけど。


「…………………………」


だけど、自然と笑みがこぼれた。


それをキョウジは訝しそうに見ている。


なんだよ。


なんだよ、京次のクセに。


年とって、しっかりしてそうに見えてコイツ。


蓋開けたらただのガキじゃねぇか。


あんなに背伸びしてるガキなんて初めて見た。


程度は知らねえけど、ピーターパン症候群だろ。


だったら仕方ねえや。


仕方ねえから傍にいてやろう。


寂しいって目がいうから傍にいてやる。


さっき、やっと楓太さんが言った言葉の意味、分かったから。


あたし、京次が好きだ。


「……分かったから寝ようぜ、キョウジ。あたしはここにいっから」


「…………蓮華……」


驚いたような嬉しいような、京次はそんな表情を浮かべた。


「それは儂が襲ってもいいという意味か?」


「しばくぞテメェ」


やっぱ全部前言撤回しとこう。
< 48 / 50 >

この作品をシェア

pagetop