カレの事情とカノジョの理想


だってその時の男の子たちは、みんなエッチなことばっかりしか考えてなかったから。

ベタベタ触ってきたり、ゲームと称して変な命令してきたり……


『会ったばかりでそんなこと、私には絶っ対、無理!』


隣に座っていた男の子に酔った勢いでキスされそうになって、握り拳で思い切り殴ってしまった。

以来、合コンに誘われても断り続けていたのだ。


私だって別に、男の子に興味がない訳じゃない。

キスだって、その先だって……むしろ好きな人とならって思う。


でも、ソレだけが目的なのは嫌だって私は考えが固いの?



はぁ……だからハタチを目の前にしても、今だに彼氏がいないのかなぁ……



盛り下げない程度に愛想笑いと相槌を打ちながら、こっそり溜息を吐くと、その内抜けようと思っていた時だった。


「――ツマラナそうだね」


席の端っこで料理をつまんでいると、不意に男の人の声が頭上から降ってきた。

視線を上げて見れば、男の人は人懐っこそうな笑みを浮かべながら隣に座った。

< 3 / 19 >

この作品をシェア

pagetop