アタシは見てしまった。
いっそのこと嘘付けばよかったと
みんなが出ていってから思った。
記憶喪失になったって嘘ついて
一星と一花のことなにも覚えてないよって
顔してたら二人はどうしてたかな?
はぁっとため息をつくとドアを
ノックする音が聞こえた。
大して怪我もしてないのに
個室だからあたしにノックしたんだろう。
看護師か医者のどちらかだろうと思って
窓の外を見ながら入ることを許した。
「どうぞー」
気の抜けた声でそういうと
「なんだ、元気そうじゃん。」
いつもと変わらない笑顔で
光汰が笑っていた。