アタシは見てしまった。
「ありがとう、奈々。
本当にあたし奈々みたいな娘も
持ちたかったよ。
優しくて頼りになって強い。」
………………ウソだよ。美代子ちゃん。
あたし優しくなんかないよ。
頼りにもなんない強くなんてない。
人の恋愛ばっか邪魔して
頼りになってほしくて強がって。
本当はあたしが一番人間でいうダメな奴だよ。
「うん、美代子ちゃんもありがと。
もう大丈夫だから。
一花にもそう、伝えてあげて。」
そう言うとうんと言って
お見舞いのお花と食べ物を残して
病室から出ていった。