アタシは見てしまった。




「オレさー、

こんな卑怯な真似しかできない女

大っ嫌いなんだよね。

もうオレに話しかけて来ないでね?」



光汰は黒い笑みを女の子達に送ると

資料室を出た。







「奈々ー、生きてるー?」


「あ…んた…馬鹿じゃないの?

あんな…ん言ったら嫌わ…れる…よ?」


「はぁ?

オレさ奈々が思ってるより

大分モテてるから。」


軽く嫌味を言われたけど

今日は何も言い返せなかった。


だって……………


殴られた時に出た血が

光汰の制服についても

怒らずに助けてくれたから。



「光汰…ありがと…」



光汰にお礼を言ってから

あたしは目を瞑った……………。







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