アタシは見てしまった。




教室の中では何もしてこなくて

少し安心した。


だけど目だけは鋭くて怖かったから

机に伏せようとした瞬間ーーー



「奈々!」


大好きな優しい声が聞こえた。


「一星………。」


一星はあたしを見つけて掛けより

あたしの席の隣に座った。


「1時間目サボってたけど

何してんたんだ?」


「あー……、

光汰に話聞いてもらってた」


気まずそうにあたしが言うと

一星は安心したように優しい顔をした。


「また女達に嫌がらせされてるのか

すげぇ心配だった。


何もなくてよかった………」



相当心配してくれてたみたいで

一星は頭を抱えて机に伏せた。


その姿が可愛くて嬉しくて

つい、一星の頭を撫でてしまった。










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