最愛


「ゆり・・・・・・ゆり――――――――――」

夏樹はずっと私の名前を呼んでくれて。

優しく、大切に扱ってくれた。

そんな夏樹を前に、私は涙が止まらなかった。

「っっ」

「ゆり・・・?」

「平気、大丈夫だから」

うれし涙だから。

好きな人と結ばれるのがこんなに幸せだったなんて、初めて知った。

だから、笑顔を作ろうとしたのに。

涙は止めどなく流れてきた。

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