最愛
「藍~、このまま大学行く?」
「そのつもり。なんか服貸して?」
「えっ、藍が着れる服あるかなぁ?」
ゆりがクローゼットを探りに行く。
「ゆり~、現実問題、大学どうするの??」
「ギリギリまで行くつもり」
「夏樹くんにはなんて言うの?」
ゆりの顔色が変わる。
「そのうち考えるよ。心配、かけたくないし」
「最後まで、言わないつもりなんだ?」
ゆりが静かに頷く。
「そっか。ゆりがそうするなら協力するよ。何かあったら言ってね」
「ありがと」
ゆりがまた涙ぐむ。
「泣かないんでしょ~?」