最愛


「っぶねーなぁ」

「夏樹・・・」

私は後ろから体を支えられた。

「なんでいるのよ」

「大学でお前探してたら藍ちゃんが教えてくれたんだよ。夏バテで体調悪いから病院行ったって」

夏バテ、じゃなかったけどね。

「そうじゃなくて、何しに来たの?っていう意味」

「何って、迎えにきたんだろ。あんま1人で出歩くなよ。具合悪いなら尚更」

夏樹が心配してるのは、私の耳。

私は左耳がほとんど聞こえない。

高校生の時に起きた事故が原因なんだろうけど、外部の損傷はなく、理由はよくわからない。

「帰るぞ」

夏樹が歩き出す。

「夏樹・・・」

「ん?」

「だっこして」

「自分で歩け」

夏樹は多分ツンデレ。

普段はクールだし口悪いけど、時々優しい。

今日だって、迎えに来てくれた。

< 3 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop