最愛
「・・・・違う」
「え、何?」
「違うの、おなかの赤ちゃん、夏樹の子なんだよ」
「えっ?・・・・・・俺の?」
「そう」
夏樹の表情からは何も読み取れない。
「迷惑、だよね。ごめんなさい・・・・・」
やっぱり、黙っていれば良かった。
夏樹にどう言われようと、夏樹を困らせるよりましだったのに。
「本当なのか・・・・・?だって俺お前とは――――――」
あの夜のこと、やっはり覚えてないよね。
「したよ、1度だけ。夏樹は酔っ払ってて。でも、嬉しくて。拒もうと思えば拒めたのに、私、拒まなかった」