【完】素直になれよ。
…なんだ……なにもないじゃん。
そう思ったのも、束の間だったんだ。
だってその瞬間、
私の目に飛び込んで来たのは
部屋の奥のほうで抱き合う男女二人。
「……うそ…」
ドクン。ドクン。
私の心臓を突き刺す、尖ったなにか。
……織川…??
顔なんて見えない。
けどわかる。わかっちゃうよ。
あんたの背格好、髪型、腕の筋…
全部、私の頭の中で覚えてるの。
そこにいた男は、
間違いなく…織川だったんだ。