【完】素直になれよ。
久留米が俺の方を向いて
キッと潤んだ瞳で睨んできたのも
それとほぼ同時だった。
「...え」
俺は息をのみこんだ。
こいつ......
「...くそ男!!!」
「...いって!」
久留米は俺に
もっていたネットを制服に叩きつけて
俺の横を走って通り過ぎた。
「おい...っ、久留米!!!」
廊下を勢いよく走り去る久留米を呼んでも
一度たりとも振り向かず
俺の見える範囲から消えてしまった。
「......あいつ...」
俺は叩きつけられたネットを拾って
久留米が走り去った先を見つめた。