【完】麗しの姫君


こっちに来てる、そう思ったらもうすぐそばに先輩達はいて、


「…一緒して、いい?」


わ、香坂先輩が喋った。


「え、は、はぁ、はい、どーぞ…?」


え、どーぞって言っちゃったよ。


てか、瀬菜と恵斗はどうしてんの?


「……チッ」


「……………」


珍しく固まってると思ったら、瀬菜さん。盛大に舌打ちしたよこの人。


恵斗は目を見開いて、口がパクパクしてて、家で飼ってる出目金の牧子みたい。


「じゃ、お邪魔します」


「え、陸ここ座んの?」


「あそこうるさいし」


「そりゃそうだけど…」


「満が相手するから余計うるさくなるんだよなー」


なるほど、可愛い系の男子は満と言うのか。


「な、和泉も結構相手してたじゃんかよ」


で、王子様は和泉さん、と。


って私は恵斗か。


「俺はお前に付き合ってただけ」


「なんなのそれ」


「怒るなみっつん」


「その呼び方辞めろっつの!」


「…お前らうるさい」


「「……ごめん」」


「座るなら座れ」


え、二人とも座るんだ。


ということは、ずっとここにいる気?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


で、今のこの状況。


「「「………………」」」


「和泉さぁ、この間貸したDVDもう見た?」


「あー、悪い。まだだわ」


「いや、別にいいんだけど、めちゃおもろいんだぜって話しー」


「まじで?早く見るわ」


「おう」


「…………」


「「「…………………」」」


一体、どうすれば?

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