【完】麗しの姫君


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「……そう、そんなことがあったの」


「あー、ついて行けばよかったぁ!」


あの雨の日、なにがあったのか、瀬菜と恵斗には1番に話したい、そう思って全部吐き出した。


「そのギャル先輩は、一体眼鏡のなんなのかしらねー」


「本当にねー、てか眼鏡のこと好きなんだよ」


瀬菜も恵斗も眼鏡眼鏡って…。


「婚約者の正体も、気になるわね」


「いるのかなあ?」


「いるんじゃない?眼鏡も伊達にお坊ちゃんやってないでしょ」


「それもそうだ」


「婚約者、かぁ…」


「「……姫」」


きっと、他の人からすれば私の悩みや不安なんて大したことなくて、きっと先輩だってあんなイライラぶつけられて怒ってるだろうし、意味不明って思ってる。


でも、私には大きな問題で。


大きな悩みで。


始めてのことばかりで、怖いの。


臆病で、逃げてしまう。


どうすればいいか、わからない。

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