【完】麗しの姫君


可愛いっ


「…なんだよ、笑うなっつのー」


「きゃー離してー」


「ダメ。離さない」


「……別にいいもーん」


だって、幸せだから。


抱き締められて、温もりを感じて。


「…うん、俺も、このままでいい」


「先輩?」


「ん?」


「…好き、大好きー」


「…なんなの、可愛すぎるんだけど」


「ふふー、…王子様って、呼んでいい?」


「…それは却下。ダメ」


「えー」


「…こら、ふくれない。…陸でいいよ」


「…りく?…いいの?」


「当然でしょう。…あ、初めてだから、女の子に名前呼ばせるの」


「…うん、ふふー」


「ん」


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