「心配だから応援に行こうかと思ってるんだ。芽衣子も行かない?」


心臓が騒ぐ。
彼に会いたいという欲求と、会うことが浩介くんへの裏切りになるんじゃないかというような罪悪感。


「……行く」


だけど、会いたい欲求の方が勝った。


「じゃあ、20日な。駅まで迎えに行くよ」


優しく笑う浩介くんに、胸が軋む。

ごめんなさい、ごめんなさい、私は。



「さ、そろそろ行くか。映画」

「うん」


この日のデートは映画。

ファンタジー映画だったけれど恋愛要素もあって、大画面の中でヒーローとヒロインがラブシーンを演じている時、隣の浩介くんが手を握ってきた。


「……っ」


握り返すことも出来ずにただだらりと手を広げたままの私を、彼はどう思うのだろう。


このまま浩介くんと付き合ってはいけない。

でも、夏木くんに向かっていくことも出来ない。

八方塞がりの状態に泣きたくなる。

それを感動の涙と勘違いした彼が、そっと握った手をさすってくれる。


優しくしないで。

今はもう、辛くなるだけだから。


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