King of Dragon -龍王-

「3人で旅をはじめました。私は巫女だったから、司祭様が2人、護衛として忍びに依頼をしてくださったんです」


「へえ」

「とても2人は仲が良くて、私も受け入れてくれて、友達みたいに接してくれました。でも、追われて逃げてる時に2人が囮になるって。指定された場所まで逃げてと言われたのに、私、海に落ちちゃって……」

「……成る程。指定された場所の名前は?」


淡々と話を続けるウィルに、ユリアは俯いていた顔を持ち上げる。


「えっと。トレッフェン橋、です」


それは、キシノルフから少し離れた岬の近くにある橋だ。


「橋、ね。そこで会える希望はないか」

「!」


「2人とも捜索をそこらでやっててくれれば良いんだがな」

「……私」

言葉を受けて、ユリアは落ち込んだように下を見る。
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