私はしがない執事です


「二つ目、隠し味には必ずプチトマトを入れること」




了解です。


でも、ここで一つ問題があった。




「…味見出来ないなら、どうやって雅ちゃんにとっての美味しい料理を作るんですか?」




すると新城さんはニコリと優雅に微笑み、手にしているメモ帳を指差した。




「そのためにコレがあるんです」




新城さんの話によれば、新城さんが雅ちゃんに執事として仕えて五年。雅ちゃんが美味しいと言った組み合わせをメモしたものらしい。


……この人、やっぱり抜かりない。



性格的にはアレだけど、仕事としての腕は格が違うと認めざるを得ない。


どうしてここまで配慮出来るのに…
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