約束
そしてそのままゆっくりと私との距離を詰めてくる彼に、今反応したばかりの心臓はさらにドキドキと激しく鳴り響く。

今大好きな彼氏がいるのに。

今はその彼氏以外考えられないはずなのに。

なのに――。

この心臓の存在で、そんなの思い込みだったと気づかされる。

違う。

ここへ来てしまった時点で、私は彼氏よりも目の前にいる彼のことが気になってしまっていたんだ。

だってほんとは、ずっとずっと彼に会いたくて仕方なかったんだから。
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