フェイク
街全体がオレンジ色の夕日に染められ

足元には並んだ2つの影が長く伸びている。



歩きながら、時々翼さんと肩が触れた。


最初はその度に「すみません」と軽く謝っていたけど、やがて何も言わなくなった。


いちいち謝らなくなった。



駅に着いて改札を抜けると、タイミング良く電車がホームに入って来た。


空いている席に並んで座る。
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