フェイク
お店の前でコートを脱ぎ、ドアを押して入る。


女性のグループや若いカップルで賑わう、真新しくあたたかな店内を見渡すと

亜也乃たち3人は奥の方のボックス席に、既に来ていた。



「亜也乃ごめん。

お待たせ」



私の姿を見て亜也乃は一瞬、ぎょっとしたような表情になったが、すぐに気を取り直して

「あぁ。
私たちも今来たところ」

と、自分の隣の空席を私に勧めた。
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