最高の偽装lovers
ああだこうだと言い合いする私と母。

浩輔は呆気にとられ、

私たちを見つめるばかり。


「二人とも黙りなさい!」


「「・・・」」


珍しく怒った父に、

私も母も黙り込んだ。

・・・

大きく溜息をついた父は、

まず浩輔に謝った。

・・・

「変な事に巻き込んで、本当にすまない」

「・・・いえ」

・・・

今度は母を見つめた父は、

「もう、いい加減にしなさい。

浩輔君が困ってるじゃないか?

店を6軒も持ってるのに、

どうやって会社の経営ができる?」


「でも・・」


「私はまだ現役バリバリだし、

社長を辞めるつもりはない。

…穂波」


「・・・はい」

真剣な表情で見つめられた私は、

神妙な面持ちで父を見つめた。
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