まほろば【現代編】
再び布団の上に起き上がると通話ボタンを押した。

「ハルカ、どうした?」

なるべくいつもの調子を保つ努力をしながら電話に出た。

電話の向こうでは、なにやらガタゴトと大きな音がしている。

『リュ、リュウ。元気?』

思わず噴出しそうになってしまったが、そこはグッと堪えた。

「……元気だけど?」

なぜかしばしの沈黙が続いている。

「ハルカ、どうした?」

心配になって問いかけてみれば、いきなりの謝罪の言葉。

『あの、あのね。えーっと、ごめんなさい!』

その言葉で、お互いに同じようなことを考えていたことがわかった。

そんな些細なことが何故だか嬉しいと感じる自分がいる。

『リュ、リュウ』
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