まほろば【現代編】
【ハルカサイドⅣ】

i

次の日から、とにかく自分に出来ることを始めようと私にしては精力的に動き回っていた。

午前中は、基本的に早九字の訓練。午後には、玄武の手がかりの捜索。

宿題をいつやっているのかと突っ込まれるとちょっと痛いところだけど、それなりにやっているつもり。

何だか、忙しくしているほうが時間を有効に使えている気がするのは気のせいかな? 

でも、何の成果もないまま一週間ほど過ぎていた。

リュウは早く帰れるみたいなことを最初言っていたけど、どうやら捜索に手こずっているみたい。

今帰ってこられてもまだ早九字すら完璧にマスターできてないからある意味良かったとも言えるけど。

それに、リュウと電話でのやり取りができるのが嬉しかったりもする。

だって、電話だといつものリュウと違ってすごく優しいし。

でも、やっぱり会えないのは寂しいかもな、なんて思いながら今日もいつものように、早起きして近所の神社まで来ていた。
< 143 / 702 >

この作品をシェア

pagetop