まほろば【現代編】
それぞれが頷いているのを確認して、細かな指示を出す。

「うちの神社を中心として、本殿から五キロ程離れたところにそれぞれ四神を祀る小さな社がある」

それぞれの社は、神社や中臣家本家を含む敷地を中心に据えて四神相応の地に密かに建てられていた。

それらは、一般の人が見てもはっきりとそれとわかるようにはなっておらず、特殊な結界が張ってある。

それを解く事ができるのは、四神とそれを施した中臣家の人間のみ。

「場所は、おそらく近くに行けばわかるはずだ。まっすぐに各方位に向かってその場で待機していて欲しい」

そこで、真人が手を上げた。

「何だ?」

「待機っていわれても実際には何をすればいいんだ?」

真人が言いたいこともわかる。

それだけ言われれば、何をすればいいのかはわからないだろう。
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