まほろば【現代編】
少し反省して、言葉を足そうと思った瞬間、彼女が入ってきた。

俺は、自分が思っていた以上にハルカが側にいることに浮かれていたみたいだ。

だから、綾姉の気配を全くそれまで感じることができなかった。

普段からすれば考えられないことだ。

綾姉が入ってきた瞬間、思わず目を逸らしていた。

二人が何か言葉を交わしているのをぼんやりと聞きながら、激しく動揺する自分に嫌悪する。

いつの間にか、綾姉はいなくなっていたけれど、それ以上話を続ける余裕がなくなって、きっとわけがわからないであろうハルカを強制的に家まで送った。
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