まほろば【現代編】
綾姉に抱いている好意は、親や兄弟姉妹、家族に対する親愛の情と同じだということに。

俺の変化を感じ取った綾姉は、それでもいいと言ってくれた。

俺の事が好きだからと。

それが良いわけないとわかっているのに、強く拒否できない自分にも嫌気が差す。

ずっと棚上げにしてきた付けが回ってきたのか、この大変なときに別の火種を抱えてしまった気分だった。

だから、夜の見回りの時にも集中できずにハルカを危険な目にあわせてしまった。

ホムラのおかげで、事なきを得たが自分の不甲斐なさに腹が立って仕方がない。

だから今はその辺りの感情をすべて封印して、事態の収拾に専念することに決めた。
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