まほろば【現代編】
何故か少し口ごもるように言葉を濁すホムラに首を傾げる。

「はっきり言えよ。お前の力が出ないのは――」

リュウが発する言葉をさえぎるようにホムラが叫んだ。

『うるさい!』

こんなホムラは今まで見たことない。

「ねぇ、どうしたの?」

「五行の相克図を思い出してみ」

リュウの言葉に素直に従って、再び頭に思い描く星型。

金が木に強くて、木が土に強くて、土が水に強くて、水が火に強くて……。

何となくわかってきた。

ホムラは火属性、そして私は水属性。

私の側にいるから、ホムラは本来の力が出せないでいるんだ。

ホムラを見やると、不貞腐れたようにそっぽを向いてしまっている。
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