まほろば【現代編】
いったいいくつの鍵がついていたのだろう?
ミツハさんの足元には、南京錠が山のように積まれている。
最後の一つを外すと、ミツハさんは少し後ろに下がり精神を集中させるように深呼吸をすると、丁寧に九字を切った。
「――在・前!」
バチンという鋭い破裂音がしたかと思うと、ゆっくりと目の前の扉が開き出す。
一気に私の顔から血の気が引いていくのがわかった。
普段、リュウにも呆れられるほど何かの気を読むのが苦手な私にでもわかる、禍々しい憎悪に満ちた心が押しつぶされそうになるほどの悪意だった。
体は逃げ出したがっているのがわかる。
だけど、足の震えは収まるどころか目で見てはっきりわかるほどに大きくなっていた。
怖い、怖い、怖い!
だけど……。
何かが、私をその場所に繋ぎとめている。
ミツハさんの足元には、南京錠が山のように積まれている。
最後の一つを外すと、ミツハさんは少し後ろに下がり精神を集中させるように深呼吸をすると、丁寧に九字を切った。
「――在・前!」
バチンという鋭い破裂音がしたかと思うと、ゆっくりと目の前の扉が開き出す。
一気に私の顔から血の気が引いていくのがわかった。
普段、リュウにも呆れられるほど何かの気を読むのが苦手な私にでもわかる、禍々しい憎悪に満ちた心が押しつぶされそうになるほどの悪意だった。
体は逃げ出したがっているのがわかる。
だけど、足の震えは収まるどころか目で見てはっきりわかるほどに大きくなっていた。
怖い、怖い、怖い!
だけど……。
何かが、私をその場所に繋ぎとめている。