まほろば【現代編】
「お主は、真人と仲良くしてくれてたようだからな。本当ならば、お主らがここでまみえるのを避けたかったが仕方がない。それが、さだめとでも言うものなのかもな」

スサノオは一度言葉を切ると、呆然としたままの私の体を抱き上げベッドまで運び、その縁に座らせた。

スサノオは、私の横に腰掛けると気遣うように一言だけ発した。

「お主は、どうしたいのだ?」

その言葉に、先程目に焼きついた光景が再び脳裏に浮かぶ。

あの部屋の中。

押しつぶされそうなあらゆる負の感情に満たされた部屋の中。

その部屋の中には、びっしりと太い縄状のキラキラと銀色に輝く糸が縦横無尽に張り巡らされていた。

そして、その中央。

天井を突き破ってしまうのではと思えるほど、巨大な蜘蛛に似た妖が苦悶の表情を浮かべながら糸を撒き散らしている。

おそらく、コレが妖・土蜘蛛。
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