まほろば【現代編】
今まで極力考えないようにしてきたが、それでもふとした瞬間に、ハルカの身に何か良からぬことが起こっているんじゃないかと考えると、いてもたってもいられなくなる。

早く、この手の中に取り戻した。

思わず手をギュッと握り締める。

「……わかった」

急いてはことを仕損じる。今は、ツクヨミの助言を聞き入れて万全の状態で臨もう。

俺もツクヨミがするように御神木を仰ぎ見ると、真夏の日の光に照らされた緑の陰からキラキラと零れ落ちてくる清らかな流れに包み込まれる感覚に陥った。

今まで、何度となくこの場所に来ているのに初めて感じるその感覚にそれだけで身が清められる。

しばらくその木漏れ日のシャワーを浴びてから、一度戻り根の国に行くための準備を整えることにした。

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