まほろば【現代編】
徐々に自分の気の方が剣に勝ってきているのを感じる。

その流れのまま、舞は終盤に差し掛かった。

剣は最後の抵抗を示すように、さらに強い力でこちらを引き込もうとする。

しかし、舞の最後。

その力を封じ込めるように、大きく剣を振りかぶり地面に深々と突き刺した。

その瞬間、眩い光が辺りを包むと剣をぐるりと囲む直径一メートルほどの地面がまるでスポンジのようにグニャリと柔らかくなり、剣を掴んだ俺の体ごと地中へとズブズブと引き込まれるように沈んでいく。

動じることなく、そのまま身を委ね剣を更にきつく握り締めた。

ズブズブズブズブ――

まるで底なし沼にでも嵌りこんだように、ついには頭の先まですっぽりと土の中へと入り込んでしまったが、不思議と息苦しさというものはない。

ただ、視界は闇に閉ざされていてまったく状況がつかめない。

それでも、根気良くこのじりじりとした感触に耐えていると、いきなり宙に放り出されるような感覚に陥った。
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