まほろば【現代編】

ハルカiv

何だかとっても安心する。

大きくて暖かいものに包まれて、揺りかごに揺られるようにたゆたっていた。

いつまでもこのままでいたい。

だけど、起きなくちゃ。そんな焦る気持ちもある。

そんな気持ちのまま少し身じろいで、どうにか重い瞼を開けた。

どうやら、どこかに部屋の中にいるみたいだった。

でも、何だろう?この違和感。

そこで、ようやくここ数日見慣れていた岩だらけの場所ではなく、陽の光が惜しみなく注がれた暖かな部屋の中だと理解した。

その瞬間、ギュッと体にかかる力が強くなった。

驚いて視点を変えれば、綺麗な顔が目に入る。

まだボーっとする頭で、今見ているものが現実なのか夢なのかまだ理解できないまま、その顔が近づいてきた。

そして、耳元で私の名を呼ぶ声が聞こえた。

間違えるはずもない、大好きな人の声。
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