別れ道での約束
何だかかわいい。


「クスッ」


「何で笑うんだよ」


拗ねる大智はかわいいというか、可笑しい。


「あたしもね、妬いたよ」


「えっ?」


私は執事をやっていた大智と写真を撮ろうとしていた女の子のことを言った。


気になっていて、今もまだ少しモヤモヤしていたから。


あの子は同中の子だったけど、ただそれだけの関係だし、特別な感情なんて持ったことがないと言う。


大智の言葉に嘘がないことは分かる。


「うん、それを聞いて安心した」


私たちはいつの間にかしっかりと手を握りあっていた。


不安に思ったことはちゃんと口に出して言えば、理解しあえるし、すれ違うこともない。
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