For 10 years
「大丈夫?……あれ?君、新しい子?」



普段は挨拶しかしないのに、がらにもなく話し掛けてしまった。


そしたら彼女は……



「あ、はい!今日から入った須藤絢華といいます。よろしくお願いします」



そう言って深々と頭を下げた。


その姿がほんとに初々しくて……


思わず笑ってしまった。



「あはは、元気いいね。高校生?」


「はい、高一です」



そう言って顔を上げた彼女に……


どう見ても高校生には見えない、その大人びた容姿の彼女に……



ドキッ――…とした。



なんだこれ。


高鳴る胸を押さえながら、平静を装って口を開く。



「俺は霧島隼人。調理場で働いてる」


「霧島さん、これからよろしくお願いします」
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