For 10 years
「いいです。彼氏が迎えに来てるから」



あっさり失恋。


裏口から出る絢華ちゃんのあとを付いていくように、俺も外へ出た。


その瞬間、絢華ちゃんが



「優太!」



と言いながら、嬉しそうに自転車置場にいた男のもとへ走っていった。


そのあとは、その彼が運転するチャリの後ろに座り、彼の腰に腕を回して、安心しきったように背中に頭を預ける絢華ちゃんを……


ただ眺めていた――…
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