青空バスケ―3rd―
そんなことを思いつつも、いざ始めると意外と本気になっていて。
次々に部員達を相手にし、最後に副部長である秋山を負かした時は完全に気持ちが高校生の頃に戻っていた。
……やっぱ、バスケって楽しい。
だけど……何かが物足りない。
俺はゴールリングから落ちてくるボールを見つめながら……そう思った。
何かが……俺の中で欠けている。
何だろう……。
仲間?
いや……違う。
「先生、すげぇ!!」
「やっぱ先生って強いんだ……」
「先生、カッコイイっす!」
生徒達がワラワラと俺の周りに集まって、羨望の目を向けてくる。
それでも俺は……黙ったままゴールリングを見つめていた――