青空バスケ―3rd―

「気持ちが伝わればいくらでもいいんじゃないか?」


俺らだってそんなに稼いでるわけでもないし。

要は気持ちの問題だろ。


「じゃあ、一円玉でもいいってこと?」

「は……?」

「気持ちが伝わってればいくらでもいいんでしょー」


……アホか、コイツは。


「常識的に考えろ。
一円玉なんてふざけてんだろ」

「でも、おめでとうって気持ちは誰にも負けないぐらいあるよ!」

「あのなぁ……」


俺は呆れたように駿を見た。

……だけど、駿の顔は本気だった。


「あーあ……。
よくさ、御祝儀って気持ちの問題とか言うじゃん?
でも、そんなこと言いながら相場とか決まっててさ。
それぐらいの金額包まなきゃ非常識みたいな……。
世の中って矛盾してるよなー……」


駿は小さくため息をついた。

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