青空バスケ―3rd―
体育館に残ってる奴が気になった俺は、仕事を一段落終えてから体育館に様子を見にきた。
体育館に近づくと……確かにボールの音が聞こえた。
こっそり入り口から覗いてみると……
「……飛田?」
体育館の中にいたのは部長の飛田だった。
飛田は一生懸命一人で練習していた。
「………………」
俺は静かに体育館の中へと入っていった。
飛田は俺に気づくことなく、真剣な顔でゴールリングを見つめ……そのまま綺麗にシュートを決めた。
リングから落ちてきたボールはコロコロと転がって、壁に当たって止まった。
俺は静かに近寄り、ボールを拾い上げた。
すると、飛田は驚いたように俺を見た。
「先生……?」
……久々だな。
ボール触ったのなんて……。
俺は軽くドリブルをしてゴールに向かって走り、跳んでゴールにボールを入れた。
「おぉっ……俺もまだまだいけるかも……」
まだ通用するな……これなら。
「あの……先生?」
「お前さ……本当、俺にそっくりだな」
「え?」
飛田は意味が分からなさそうに首を傾げた。