先生と内緒のキス
ガシッ……!!
「っ!」
誰かに腕を掴まれた。
振り返るとそこには……。
「えっ……」
「―――奈緒美」
「せ……せんせ、い……?」
なんで?
なんで先生がここに?
「―――奈緒美、アイツと結婚するのか?」
「……え?」
「―――アイツと結婚するな。俺のモノになれよ、奈緒美」
「えっ……なん……」
わたしの唇は、言葉を発することができなかった。
―――わたしの唇は、先の唇に塞がれていたから。
「……んっ」
ねぇ、なんで先生……?
なんでキスなんかするの……?
「せん、せ……」
「―――俺はずっと、奈緒美のことが好きだった」
「えっ……?」
「―――だから今だけは、俺のモノになってくれ」
わたしはその言葉に、小さく頷き、先生の甘いキスの雨に酔いしれていた……。
«完結»