必然の再会【TABOO】


しかし、そんな私の心境は読み取れなかったのか、大きな手が伸びてきて頭をくしゃくしゃと撫でた。


「ちょっと……や、やめてよ」

「やっぱ、会社に異動願い出して正解だったな」

「え、自分から田舎に帰ってきたの?」


目を丸くする私に、幼馴染はニヤリと白い歯を見せた。


「当たり前だろ」

「も、もったいない。都会なら何でも手に入るし、便利でしょ?」

「何でも揃ってても、便利でも……お前はいないから」


頭を撫でていた手が背中に回り、キツク抱き締められる。熱っぽい声音に身体が震え、胸はうるさいほど高鳴った。


「なぁ、幼馴染じゃなくて……彼氏にしてくれないか?」

「な、何言って……だって、私っ」

「お前に彼氏がいたって知るかよ……俺にしとけ」


半ば強引に重ねられた唇は、少し苦い味がした。


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