ブスも精一杯毎日を生きてるんです。


今思えばあの時なんであの子を拾ったのかわからない。

情か、?

いや、見ず知らずの人間を情で助けられるほど、俺はできた人間じゃないことはわかってる。

だとすればなんでだろう。

そこまで考えて、一つの可能性が俺の頭をもたげた。

知らず知らずのうちに、妹と重ねていたのかも知れないな。

気の強そうな目に、

綺麗に鼻筋の通った鼻、

消えてしまいそうな白い肌と、

色素の薄い、焦げ茶色のセミロング。

妹との共通点は次々と思い浮かぶ。


これからどうすんだ、あいつ。

俺が育てるとかいう年齢でもねえし。

拾ったのはやっぱり間違いだったな、

心の中で深いため息をついた
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