ブスも精一杯毎日を生きてるんです。
二人の帰り道。
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「私の経験上あれは絶対に晴奈のこと好きだね。セ○ンの肉まんかけても良いくらい。」
『だから、ファ○マのチキンに誓ってそれはない。』
放課後、帰り道。
美桜は何回も先ほどの出来事を蒸し返してからかってくる。
「じゃあ湊人君に聞いちゃおう。もしそれで晴奈のこと好きって言ったら、チキン奢ってね。」
美桜がいたずらっぽく笑った。
私の記憶のなかで、この天使の笑顔に勝てたことは一度も、ない。
う。耳が熱くなってきた。
『恥ずかしいからやめて。大体私と湊人はただのバスケ部の部長と学年代表の関係だって!』
私の必死の弁解も聞かず、美桜はただにこにことしている。
まあでも、元はと言えば悪いのはこの肩書きだ。
女子バスケ部の部長はやめて、美桜にやってもらおう。
そうだ、それがいい。
「ねえもしかして今、部長やめようとか思った?」
美桜が思考の間に口を挟んできた。
笑顔は変わらず、声のトーンだけが少し落ちる。
初対面じゃ美桜が怒っていることを分かる人なんていないと思う。
『すいません思ってないです。』
「だよね!」
また笑顔でこっちを向く美桜。
多分美桜がいいたいことはこうだろう。
〝部長辞めたら許さないから〟
まあ辞める気なんかないけどね。