ブスも精一杯毎日を生きてるんです。
美桜ちゃんが他の三人のメンバーを呼び出して、今校長室前で全員が集まった。
「よし、じゃあみんな揃ったところで、部長は校長室に創部届け出して来てー。」
そう言って美桜ちゃんは、なぜかこちらに創部届けを渡してくる。
『えっと、部長って誰?』
「ん?晴奈ちゃん以外いないよ?」
まるでそれが当たり前のような言い方。
らなはひ
だが私はこの事を知らないし、創部をしたいと言い始めたのは美桜ちゃんなのだから、部長は美桜ちゃんがやるのが筋ではないか。
私は美桜ちゃんに反抗するように、
『部長は美桜ちゃんじゃないの?』
少し語尾を強くして問いかけた。
「あたしは土日、歌のレッスンとかレコーディングがあるから部活いけないし、他の三人は未経験者だから部長は出来ないよ?」
美桜ちゃんの口からは、思いも寄らない言葉が飛び出した。
土日は歌のレッスンと言うぐらいだから美桜ちゃんは歌手の卵とかなのだろうか。
じゃあなんで創部なんか…?
混乱する私にとどめの一言。
「それでも晴奈ちゃん、部長やりたくない?」
『…分かった。やるよ、部長。』
差し出された創部届けを引っつかみ、私は校長室へ足を向けた。
「いってらっしゃーい」
笑顔で手を振る美桜ちゃん。
この笑顔に勝てる日はきっと来ないだろう。
これが私が部長になった理由。