音と夢の羽
小学生…

またひとりぼっち。

真新しいランドセル。

新品の文房具に靴。

可愛い洋服。

私は小学生になった。

習っていたピアノ教室は、幼稚園の中で行っていたので、卒業とともに辞めざるを得なかった。

母の勧めで、小学校の近くの、ピアノ教室に習い始めた。

音大出身の、優しい女の先生だった。

はじめは音符の読み方の復習から始まり、音符の書き方、リズムについて習った。

そして、簡単な指の運動みたいな曲から始まり、バイエルの本の練習を始めた。

小学生のときのわたしは、習字にピアノ、水泳、塾、たくさん習い事をさせてもらった。

まだ歌うことも大好きだった。

たくさんCDを買って、

家で出来るカラオケを買ってもらい、たくさん練習をした。

将来は歌手になれたらなーと思い始めた。

人見知りは未だ健在だったが、それなりに友達もできた。

しかし、小学校高学年になると、家に帰れば、父が勉強を見て、

塾に通い、友達と遊んでいる暇もなくなった。

わたしはお受験というものをさせられるらしい。

正直、興味が無かったが、ピアノも習字も楽しかったし、

学校の勉強は父がいつも先を教えたので、分からないこともなく、退屈だった。

習い事を辞めなくてよいのなら、別に良いか、と。

わたしは父には逆らえなかったのだ。
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