初恋メランコリック






「…て、なんで梨紅もいるの?」



あれから葵と二人で学校を出て、寮へと向かった
鞄や荷物は放課後、早乙女さん達が持って帰って来てくれるらしい



それで急いで凛の部屋に入ると、なぜかそこにはベットでダルそうに横になっている凛と、本を読んでいる梨紅の姿


「だって、湊が茉奈ちゃんと葵を二人きりにするのは危ないから、俺も行けって言われたのー」


「…いや、危ないって何。」



にっこりと笑いながら言う梨紅に、葵のツッコミ



「だからってなんで俺の部屋に来てんの?」


「きーまってるじゃないですか。かわいい凛たんの看病ですよー」



凛の質問に、葵が答える
ふざけてるな、あの人…



「凛たんは何もしないで、休んでてくれればいいからねっ」



そう言って梨紅は、凛のおでこに冷えピタを貼り付ける

遊ばれてんじゃん、凛
かわいそうに…



「じゃあ熱といえばお粥だから、みんなでお粥作ろう!」


「さぁいきましょ、茉奈」


「え?あ、うん」




梨紅の発熱=お粥という方程式に葵が乗っかり、いきなりお粥を作る事になった

凛はめちゃくちゃ不安な顔してたけど。
もう何もしないでくれって感じの顔だったけど


それで今、あたし達はキッチンに立っているわけでして



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