君を想う
変わったのは、白衣姿とくわえタバコ


・・・そして無精髭。



「校内禁煙だぞ!」


思い切りギクッとした先輩はゆっくりと振り向いた。


「うぉ!加山かよ・・・・脅かすなよ」


「あははは・・・驚きました先輩?」


「教頭かと思ったよ・・・・」


内ポケットから携帯灰皿を出すと、タバコを揉み消した。


「どうした~また落ちてんのか~」


先輩はグイ~ンと伸びをしながらつぶやいた。






高1の夏。


同じように海を眺める先輩に恋をした。



普段は愛想のよくない先輩が見せた


愛する人を見つめるような穏やかな横顔。


意外な一面に、気持ちが奪われた。


それからずっと好きだった。





卒業したら地方の大学に進学すると聞き、


最後に気持ちを打ち明け・・・・みごとに玉砕した。





あれから・・・・それなりに恋愛をしたよ・・・


告白されて付き合ったこともある。


そしてその1人に言われたんだよ・・・・



_____結婚しよう_______って




どうしてだろうね・・・・



また会いたくなってここに来てしまった。









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