外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

「マーク!シェーンさんが来てくれてるよ!」

屈託のない声ってこういうことだろう。

マークが凍りついてる雰囲気がひしひしと伝わる。

私は、ゆっくりと、ゆっくりと・・・振り返る。

マークが蒼白な顔で、立っていた。



「・・・シェーン・・・なんでここに」 

京都のときと同じ顔してる。
この短期間に2回もこんな顔されるなんて、ショックだ。

・・・しかもわざとフランス語。
聞かれたくないってこと?

「・・・」 言葉なんか、無い。

「君、今日仕事だって・・・」

もう・・・

「何がどうなってるの?」・・・フランス語で答えた。

「・・・」何もフォロー出来ないって顔してる。

「彼女だって言ってた。この人、マークの彼女だって言ってた」

私はふんわりさんを指さした。

「本当なの?」

何も言わない。言えないの?・・・

私は知らないちに目からぼろぼろ熱い水が、流れ出ていた。

「マーク!」

「・・・はぁ・・・・・・ごめん・・・シェーン」

肩を落としたマークは目線を足下に落とした。

「・・・君と僕とじゃ、きっともう合わない・・・・・

ごめん・・・終わりにしよう」



言わなきゃ・・・

今ちゃんと言わないでいつ言うの?

変なプライドなんて捨てて、言わないと、いなくなっちゃう。
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