外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

かすみさんの正体が分かり、高鍋さんの彼女の秘密も分かった。

私も一人、祐哉も一人、

もう誰にも気兼ねすることなく、何も考えることなくまっすぐに行ける。

なんとなく落ち着かなくて、ちらっと祐哉を見るけど、彼は何食わぬ顔して鍋食べてるし!

そんな微妙な空気を察してか、中直りをした高鍋さんとかすみさんは、

「じゃ、そろそろ俺ら帰りますわ」

鍋もそこそこに帰ろうとした。

「え?なんで?もう帰るの?」

お鍋を指す私に、すんごーくぶっさいくな顔をした高鍋さん。

「え?そ?じゃ俺も」席を立とうとする祐哉。

祐哉も帰っちゃうの?

「・・・ほら、子供が困った顔してる」

かすみさん!やめてくださいその言い方!

しかも人差し指で私のこと指さないでー!!


祐哉が首を傾げて私の顔を覗く。

確かに・・・眉毛は八の字だろうよ・・・


「ああ、じゃ、俺は残るか」口元が意地悪に上がる。

・・・いてくれるの?

ホッとする自分、胸がほこりしてる。


「あ、じゃ祐哉、あんたの部屋貸しなさいよ」

かすみさんは祐哉の部屋のカギを寄越せと手招きした。


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